PNF療法

私たちの全ての動きは、脳から伝えられる神経より命令を受けた筋肉が行っています。何らかの原因によって正しく神経が流れなくなった筋肉や腱は関節を含む様々な痛みや疾患に悩まされることになります。PNF療法は痛みを出している神経のみに働きかけ、神経より発せられた電気信号が正しく筋肉や腱に伝わるように神経機能を改善すると共に、筋肉の運動代謝性を高め、組織への血流を改善し、筋肉のアライメント(筋の正常なバランス)及び関節運動を改善させる手技療法です。

PNF施術方法

PNFテクニック

このテクニックは、(1)抵抗、(2)伸長、(3)圧迫、(4)圧縮、(5)牽引、の運動療法を筋肉、腱(スジ)に対して加える事によって体に無理を与えることなく「ゆるめ」関節可動域(ROM)を正常範囲に戻して体の筋肉や関節を元にあった正しい場所に戻していきます。関節や筋肉に対してやさしく心地の良い負荷を与えながら無痛治療を基本に、患者様の満足にお応え致します。

PNFの効果

炎症、痛み、シビレ、マヒ、筋の緊張や拘縮、関節の拘縮・強直や変形などからくる、諸症状に威力を発揮します。

施術イメージ

PNFの歴史

PNFとは

  • Proprioseptive(固有受容性感覚器)
  • Neuromusculaer(神経筋)
  • Facilitation(促通)

の頭文字をとった名前です。

1930年代、当時「ポリオ」が世界的規模で大流行。その後遺症の神経麻痺改善が医学界の大きな問題となっていたとき、オーストラリアの女性による独自の治療法によって、神経麻痺改善に大きな効果を挙げていることがアメリカに伝わり大変な話題となりました。アメリカ医学会は其の女性を招聘、其のことをきっかけに、アメリカの当時は理学療法士(後に神経内科医)のハーマン・カバトDrによって医学会で発表されました。

1945年、ワシントンDCに「ハーマン・カバト、リハビリセンター」を開設し臨床を開始、その後カルフォルニア州オークランドに「カイザーカバト病院」を開設。此処を臨床の中心として活躍。後に、理学療法士マーガレット・ノットーDrに後進を託し、1968年マーガレット・ノットーDrによって「PNF」として世界に発信されました。しかしながらPNF確立を見ないまま、マーガレット・ノットーDr没後は其の確立を世界中の研究者の手にゆだねられることとなりました。

日本においては「春日スポーツ医学研究所」 春日啓先生も其の一人として研究を継承しています。また、医学的研究としては、アメリカの「カイザー病院」が中心となって臨床研究がされています。また、運動生理学の面にもPNFは波及しスタンフォード大学が中心となって「運動PNF」として其の研究がなされているところです。